春日・平山両氏が「狂い」について自由に語り合った本書は一見、気ままな放談集の様であるが、さにあらず。第一章「『面倒くさい』が『狂い』のはじまり」などは、非情に鋭い観察眼を感じます。
昨今、世間を騒がせている企業の不祥事など、何れの事件も「怠惰」な経営者あるいは、企業体質が引き起こしたものであり、悪意に基づくというよりはむしろ「面倒臭い」という心理がそうした不祥事を起させてしまったという指摘が非情に興味深い。
「面倒臭い」という怠惰さと、それによって引き起こされる「狂い」への転落の兆候が、常に私たちの身内に潜んでいることを心しなければならない。
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